サステナビリティへの取組み

当社は、社会や環境との共生・共存を可能にする健全な経営が当社が資産運用を受託する投資法人ならびに私募ファンドの中長期的な投資価値の向上に資すると考え、環境・社会・ガバナンス(ESG:Environment、Social、Governance)への配慮を通じたサステナビリティの向上に取り組んでいます。
この取組みを実現するため、当社とジャパン・ホテル・リート投資法人(以下「本投資法人」といいます。)とは共同で「サステナビリティに関する方針」を策定し、ESGに関わる一連の活動及び開示を進めてまいります。

サステナビリティに関する方針

  1. ポートフォリオの環境パフォーマンスの把握と向上
    保有ホテルにて、エネルギー消費量等の環境パフォーマンスの把握を進め、ホテル賃借人やホテル運営者と目標を共有し、管理・運営の効率化や設備改修等により、環境パフォーマンスの継続的な改善を図るとともに、第三者機関による評価の取得を検討します。投資判断、運用モニタリングにおいて投資先不動産の環境リスクを考慮します。
  2. 快適で健康的、安心・安全なホテルの推進
    ホテルの安全衛生やバリアフリー等に配慮するとともに、自然災害などに対するレジリエンスを高める取組みを推進します。
    投資判断、運用モニタリングにおいて投資先ホテルの安全衛生や健康・福祉の観点を考慮します。
  3. バリューチェーンにおけるESGの推進
    投資先ホテルに対し、持続可能性に配慮した取組みへの理解と協力を求めるとともに、物品・サービス等について環境・社会に配慮した調達を推進します。
  4. 地域コミュニティへの配慮と貢献
    ホテル賃借人やホテル運営者と協力し、ホテル周辺の地域住民や自治体とのコミュニケーション・協働を通じて、地域コミュニティの持続的な発展に貢献します。
  5. 役職員への取組み
    ワークライフバランスを考慮した多様な働き方が可能な職場環境を構築し、また、能力・スキルの向上やサステナビリティに関わる啓発を図るため、専門的な教育・研修機会を継続的に提供します。
  6. 企業市民としてのコンプライアンス
    法令・諸規則にとどまらず広く社会規範を遵守し、倫理的で誠実な事業活動を推進するとともに、会社運営においては基本的人権を尊重し、コンプライアンス体制の整備によりガバナンスリスクの低減を図ります。
  7. 透明性の向上とステークホルダーエンゲージメント
    財務情報にとどまらずESGに関する情報についても適時・適切な開示に努めるとともに、双方向のコミュニケーションを通し、ステークホルダーからの声・意見を各種取組みの改善に生かします。

気候変動への取組み

気候変動に対する認識

1992年、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを究極の目標とする「国連気候変動枠組条約」が採択され、世界全体で地球温暖化対策に取り組むことが合意されました。同条約に基づき、国連気候変動枠組条約締結国会議(COP)が1995年から毎年開催され、2015年のCOP21では同条約に加盟する先進国・途上国を含む196か国すべての国により、共通の削減目標(世界全体の気温上昇を2℃より十分下回るよう、さらに1.5℃までに制限する努力を継続)を掲げる「パリ協定」が採択されたことにより、地球温暖化に向けた課題への認識や取り組みが一層具体的なものとなりました。
日本でも気候変動問題へ積極的に取り組み、2020年にはパリ協定に基づき、2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロを目指すことを表明しました(以下「カーボンニュートラル宣言」といいます。)。そして「地球温暖化対策の推進に関する法律」(地球温暖化対策推進法)にもカーボンニュートラルが基本理念として位置付けられ、今後、脱炭素に向けた取組み・投資やイノベーションの加速と、地域の再生可能エネルギーを活用した脱炭素化の取組みや企業の脱炭素経営の促進がより一層図られていくことが見込まれます。
このように世界的な取組みとして議論される地球温暖化対策は、経済成長の制約ではなく、経済社会を大きく変革し、投資を促し、生産性を向上させ、産業構造の大転換と力強い成長を生み出す、その鍵となるものと考えています。
それゆえ、気候変動がもたらす「リスク」と「機会」について適切に識別・評価・管理をすることが、本投資法人の事業のレジリエンスを高め、持続可能性を確保するために必要不可欠であると認識し、気候変動への対応を本投資法人のマテリアリティ(重要課題)の一つと位置付けています。

TCFD提言への賛同表明

TCFDとは、2015年に金融安定理事会(FSB)により、企業に適切な情報開示を促し、投資家などに適切な投資判断を促すことを目的として設立された「気候関連財務情報開示タスクフォース」であり、2017年にはその最終報告書の中でフレームワークに沿った推奨開示テーマを提言しています。
当社は、「気候変動問題は自然環境と社会構造に劇的な変化をもたらし、投資法人の運用に重大な影響を与える重要課題である」との認識の下、TCFD提言に基づく開示を進める事が重要と判断し、2021年11月にTCFD提言への賛同を表明しました。
また、同時に国内賛同企業による組織である「TCFDコンソーシアム」に入会しました。
当社ではTCFDコンソーシアムでの活動を通じ、効果的な情報開示や、開示された情報を金融機関等の適切な投資判断につなげるための取組みについて検討を進めるとともに、本投資法人に関する適切な情報開示の拡充に努めます。

<TCFDの開示フレームワーク>

推奨開示テーマ ガバナンス 戦略 リスク管理 指標と目標
開示内容
(概要)
気候関連リスク及び機会に関する組織のガバナンス 気候関連リスク及び機会が組織の事業、戦略、財務計画に及ぼす実際の影響と潜在的な影響 気候関連リスクの識別、評価、管理の方法 気候関連リスク及び機会を評価・管理するための指標と目標
tcfd

従業員に向けた取組み

当社は、高度な専門性を維持し安定した資産運用を継続するためには、モチベーションの高い優秀な人材が長期にわたりパフォーマンスを発揮できる会社であるべきと考えています。優秀な人材がクオリティーの向上に向けて高いモチベーションを保ち中長期に働くインセンティブを持てるよう働きやすく魅力的な職場環境を提供し、継続的に専門的教育・研修の機会を提供しています。

  1. 人材育成への取組み
    当社では、人材は最大の財産であると考え、従業員一人ひとりが個性を生かしながら働くことを通じて成長し、自己実現できるよう様々な育成プログラムを整備することで従業員のキャリア開発を支援しています。

    人材育成(専門能力開発)

    REIT・不動産運用のプロフェッショナルを育成することを目的として、全役職員を対象に「不動産証券化協会認定マスター(ARES Certified Master)」(不動産と金融分野の実践的な専門知識を体系的に学ぶことができる教育プログラム)等の専門的資格の取得を推奨支援し、年間を通じて実務知識や業界動向、法令等への対応に関する研修・セミナーへの参加について会社が費用を全額負担しています。

    資格保有者状況(2022年12月31日時点)

    • 宅地建物取引士 15名
    • 不動産鑑定士 2名
    • ビル経営管理士 3名
    • 公認不動産コンサルティングマスター 2名
    • 不動産証券化協会認定マスター 11名

    人材育成(一般能力開発)

    従業員が担当職務を遂行するために必要な専門的知識の習得や資格の取得、スキルアップを目指す努力を支援するため、全従業員を対象に外部研修機関が実施する研修プログラムを提供している他、カフェテリアプランを活用した自己啓発のための費用の支援を行っています。

  2. 従業員の健康と快適性への取組み
    当社では、従業員の心身の健康や快適な職場環境づくりを目的として、心身の健康を高める取組みやワークライフバランスの促進、働きがい向上への取組みを推進しています。

    衛生委員会の設置

    労働安全衛生法上では設置が義務付けられていない職場規模ではあるものの、従業員の労働衛生の水準の向上並びに健康の保持・促進を図るため、衛生委員会を設置しています。毎月開催される委員会においては、全従業員の労務状況、職場環境の快適性並びに安全性の確認等を行い、開催後には産業医によるアドバイスを全従業員へ配信しています。

    定期健康診断、インフルエンザ予防接種等の奨励

    原則として全役職員に対して、年1回の定期健康診断・人間ドックの他、インフルエンザ予防接種に係る費用を補助し、受診・接種を奨励しています。また、メンタルヘルスケアについて、希望者が産業医と随時面談できる体制を整備しています。

    従業員相談窓口の設置

    法令違反行為、不正行為、ハラスメント行為等の未然防止、早期発見及び是正を図り、コンプライアンス経営の強化と従業員の人権保護を目的として、全従業員に適用される内部通報規則を設け、コンプライアンス室を内部窓口、社外弁護士を外部窓口とした従業員相談窓口を設置しています。利用者は匿名にて相談できます。

    人権配慮・多様性と機会均等

    社内規程により、人種、宗教、性別、年齢、出身、国籍等による差別行為を行わないことを定めています。コンプライアンス研修等を通じて、様々な考え方や価値観を尊重し、差別やハラスメントを排除するための啓発活動を推進しています。

    シニア人材が活躍できる環境の整備

    継続雇用を希望する60歳以上の従業員を対象とした「再雇用制度」を導入しています。シニア人材が定年後も業務経験や知識等を生かして引き続き活躍できる労働環境を整備しています。

    オフィス環境の整備

    従業員同士のコミュニケーションを促進するためオフィス内の共有スペースを充実させ、従業員一人ひとりが休息できるスペースも確保しています。また、良質な空気質を維持するため外部専門業者に定期的な空気清浄メンテナンスを委託する等、快適な職場環境の整備に取り組んでいます。

    年金制度・職場積立NISA制度

    将来の資産形成と退職後の生活基盤充実のため、確定拠出年金制度(401k)に加えて確定給付年金制度等を導入しています。
    さらに、投資主と同じ立場で、中長期的な投資主価値向上に対するモチベーションを役職員が維持すること等を目的として、全役職員を対象に、個人の拠出金に対して会社から一定割合の奨励金を拠出する職場積立NISA制度等を導入し、インサイダー情報に留意しつつ役職員による本制度を通じた本投資法人の投資口の取得も可能としています。

    各種福利厚生の整備(全役職員を対象とした制度)

    • 病気休暇 ※年次有給休暇とは別に取得可能な休暇
    • 永年勤続報奨制度
    • 慶弔見舞金制度
    • 福利厚生サービス提供会社との提携
    • フレックス勤務制度 他
  3. 従業員とのコミュニケーション
    当社では、経営者層と従業員が双方向で働き方等について意見交換を行い、働きがいの創出や働きやすさの更なる向上に向けて取り組んでいます。

    従業員満足度調査の実施

    経営者層と従業員のより良好な関係を構築していくために、定期的に「従業員満足度調査」を実施しています。この調査結果に基づいて改善策を検討・実施するとともに、ワークショップにおける従業員からの改善提案の活用等、経営者層と従業員間の双方向のコミュニケーションにより、より良い会社づくりを目指しています。

    目標管理と業績評価プロセス

    期初に従業員が設定した目標や期中のパフォーマンスについて、上司と部下が日常からコミュニケーションをとりながら状況を確認し、期末には目標の達成度や業績・発揮能力の確認、フォロー面談を実施します。面談を通じて改善課題を共有し、次のステップへの移行を目指して意見交換を行い、次年度及び中長期の目標を設定するPDCAプロセスを制度化しています。また、本プロセスにおいて全従業員がESGに関する目標を設定し、目標管理と取組み状況の確認・評価を実施しています。

    経営者との個別面談の実施

    従業員一人ひとりの業務内容、キャリアデザイン、職場に関する悩み等について相談・意見交換できる場として、経営者による全従業員との個別面談を年に一回実施しています。経営者は従業員の声を聞き、各従業員の自己実現の支援やより働きやすい環境づくりを目指すための参考としています。

  4. 従業員の基本データ
    当社における従業員の基本データは以下のとおりです。

    従業員関連データ(各年度末時点)(※1)

    1.従業員基本データ

    項目 2020年度 2021年度 2022年度
    従業員数 40人 36人 41人
    男女数(比率) 27人 68% 24人 67% 28人 68%
    13人 33% 12人 33% 13人 32%
    平均勤続年数 5年3ヶ月 5年7ヶ月 5年7ヶ月
    出向者数(※2) 0人 1人 1人

    2.ダイバーシティーの推進

    項目 2020年度 2021年度 2022年度
    役員数(※3) 7人 7人 7人
    男女数(比率) 7人 100% 6人 86% 6人 86%
    0人 0% 1人 14% 1人 14%
    管理職数(担当部長・副部長以上) 11人 12人 13人
    男女数(比率) 11人 100% 11人 92% 10人 77%
    0人 0% 1人 8% 3人 23%
    60歳以上従業員数 3人 2人 2人

    3.従業員の健康と安全等

    項目 2020年度 2021年度 2022年度
    有給休暇消化率(※4) 52% 57% 66%
    衛生委員会開催数 7回 12回 11回
    産業医面談者数 3人 21人 8人
    育児休暇取得者数
    (うち男性育児休暇取得者数)
    0人 0人 3人(1人)
    介護休暇取得者数 0人 0人 0人
    労働災害事故件数 0件 0件 0件
    (※1) 代表取締役、非常勤取締役・監査役を除きます。
    (※2) 研修等を目的とした受入出向であり、スポンサー関係者からの出向ではありません。
    (※3) 代表取締役、非常勤取締役・監査役を含みます。
    (※4) 途中入社を除きます。
  5. コロナ禍での取組み
    世界的規模での感染となっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、日常生活や社会生活並びにビジネスに大きな影響を与え、従業員の働き方やコミュニケーションの在り方を考える契機となりました。本資産運用会社では、コロナ禍の環境下において従業員の安心・安全の確保に努め、働き方の柔軟性や快適性に考慮した様々な取組みを実施しています。

    柔軟な勤務体制の整備

    フレックス勤務制度、時差通勤の推奨、出社率の設定・管理、出社ローテーション体制、感染状況に応じた行動様式の設定、オンライン会議の推奨等

    オフィスの仕様変更

    全会議室にオンライン会議システムを導入、座席間でのソーシャルディスタンスの確保、会議室利用における人数制限の設定、パーティションの設置等

    従業員の健康管理

    定期的なPCR検査の実施(希望者)、職域接種の実施(希望者)、空気清浄機の設置、検温装置の設置、全役職員へ感染防止グッズ(消毒スプレー、マスク等)の配布等

    在宅勤務における快適性の確保

    ノートパソコン・携帯電話の貸与、モニターやヘッドセット購入費用の補助等

当社とジャパン・ホテル・リート投資法人におけるサステナビリティに関する具体的な取組みについては、下記ウェブサイトをご覧ください。

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